手術は無事成功するも

無事に手術が終わり、予定していた眼動注とレーザー治療が終わりました。
娘の手術は午前中で終わり、夕方には点滴も終わって以外に元気そうにしています。さすがに手術から戻った時には泣いていたそうですが。自分は午前中は仕事して、午後から病院にいました。

全身麻酔下での詳しい眼底検査も一緒にやっていて、この件で先生から説明を受けました。

右目は、腫瘍も見られず、今のところ問題なし。
左目は、腫瘍がかなり小さくなっていて、さらに大部分が石灰化していて、90%はがん細胞をやっつけられているようだということ。少し活動性のある腫瘍の細胞が見て取れるとのことでした。全身化学療法の成果がかなり上がっているということで、よかったです。
ただ、腫瘍が視神経の手前あり、覆い隠している状況で、これが気がかりな点だといわれています。
というのは、網膜芽細胞腫が転移する経路は、視神経か血管を通って外に出るそうなのですが、大部分が視神経に湿潤(しつじゅん、がん細胞が正常な細胞の間に入り込んでいくこと)することが原因になるそうでした。なお、湿潤が100%転移に結びつくわけではなく、湿潤した20から30%程度が転移を起こすということだそうです。湿潤のリスクを計るには、腫瘍が視神経の近くにあるか、視神経に触れているかがポイントになりますが、それが眼底検査では見て取れないということで、リスクがあるということでした。ついたてのように覆いかぶさっているだけで視神経に触れていないかもしれませんが、視神経にくっついていて湿潤の恐れが懸念される状況かもしれないのですが、これが見えていないので、リスクを計れないということです。
MRIやCTでは、ある程度進行した湿潤でないとわからないこともあり、湿潤の有無を確実に判定するには、摘出するしかなく、決定打がない状況。
ということで、今後の治療方針はこのまま眼動注の治療を続けて保存を試みるか、眼を摘出するかのどちらか選択ということになりました。*1

先生のお話は、治療の成果がよいので、見えていない部分も(楽観的に考えれば)かなりがん細胞がやっつけられているはずで、重大な状況ではないと思われるけれども、やはり見えていない部分があるということでリスクがあり、そのリスクについて伝えてくれている、というように私は受け取っています。

ですが、摘出、の選択肢を突きつけられると、恐ろしくなります。
「命が一番大事。ならば摘出、、、」というのは、今の娘の状況から考えると、私にとっては、あまりにも短絡的過ぎる気がするのです。
QOLという観点で言えば、摘出のデメリットは大きすぎますし、今は正常な右目がもし左目より悪化するような事態が起きてしまったら、、、考え出せばキリがありません。
それでも、これからも、何度となく、娘の命にかかわる選択を下していかなければいけないのです。
未来を予測できない不自由が、私を悩ませます。
自分で決めることもできず、何もわかっていない娘が一番かわいそうです。
とにかく、カミさんと一緒に、じっくり考えなくては。

*1:全身化学療法という選択肢と、放射線治療の選択肢もありますが、全身化学療法はこれ以上の効果が見込めるか微妙なことと、放射線は1歳前なので、骨の変形や二次がんのリスクが大きいということで今回の選択肢から外れています