いまさらになってしまったけれども2008年を振り返って

思えば2008年は私にとって本当に激動の一年でした。
人生でもっとも印象に残る一年になったのかもしれません。



昨年のお正月は、娘はまだ妻のおなかの中。
初詣で、娘と妻の無事を祈ったことが昨日のことのようです。



4月、娘は無事に生まれてくれました。
生まれたばかりは、元気に泣いていたけど、そのあとはすやすや良く寝ていて
さらに5日間の入院中は、ほとんど寝ていたそうなので
今はあまり昼寝をしない娘とは別人みたいです。なんだったんだろうなぁ。



育児休業を取得することができ、家に篭って妻と二人で子育てに集中。
おふろ、オムツ、着替え、ミルク、首が据わらない赤ちゃんの扱い、いろいろなスキルが身につきました。
そのころから、娘の爪きりは僕の仕事。はじめの一回だけは妻がやりましたが、あとはずっと僕。
最近はサボリぎみで、頻度が週一度かそれ以下になってしまいましたが。オレひどい。。。でもやろうとしないママ。。。言い訳ですが、いつもは寝ている隙に切るので、平日はやる気にならず。。起きている時間に切れるようになれば、まだいいんですけれどね。動きが激しすぎて無理です。
育児休業中は、買い物以外は家に篭りっきりでしたが、その分じっくりと娘と向き合えました。



そして、育児休業が終わった生後2ヶ月ごろ、娘に病気が見つかりました。
一番最初に気づいた妻が、ネットの情報によると、その兆候はガンかもしれない、そうだったらどうしようと言うんです。
そう心配する妻に、わたしは、「そんなはずはない。心配しすぎ。その性格やめなよ」と言っていました。
妻は心配性な性格なので、いつものようにそういってしまいましたが、その言葉は、いまでは禁句に近いです。



そして網膜芽細胞腫との出会い。



抗がん剤の治療は約2ヶ月間でしたが、その間は、娘と妻と別居状態。妻は娘の付き添いで病院。
一人の夜ご飯が寂しかった。


抗がん剤が終わって、眼球の摘出かどうかで妻と意見が割れて居た時期がありました。
あの時期のことを思い出すと、すごく切ないし、すごくつらい思いがよみがえってきます。
天秤に「命を失うかもしれないリスク」と「目」を乗せて、どちらをとるにも重過ぎる、それこそ天秤の腕が折れそうな、そんな葛藤をし続けていました。わたしも、妻も、かなりお互いに傷つけて、傷ついていました。
そんなときに同じ病気の親御さんとこのブログを通じて知り合い、結局は肩を押してもらって、娘の眼球を摘出する決心ができたのでした。


摘出した後、2週間はテープで目を保護していて、そのテープは2日に一回交換します。始めて交換したときはかなり緊張しました。いったい娘の目はどうなっているのだろうかと。当時は摘出した後に透明なプラスチックの保護器が目の中に入っていたので、ピンク色で、ウサギさんの目になっていました。ただ、手術の傷があると思っていたのに、全然きれいで、先生の腕が良かったみたいで、安心したのでした。
義眼が入ったあと、娘の顔を見て、思わず、「戻ってきてくれた。。」とそう妻と話したのを思い出しました。


その後初めての義眼を扱ったときも、緊張。毎日水洗いが必要なため、着脱時に大泣きする娘にビクついてしまい、なかなかうまくできなかったです。いまでは娘も大泣きまではしないので、お互いにだいぶ慣れました。もう普通に、顔を洗うようにできます。顔をガーゼで拭くほうがよっぽど嫌がるぐらいです。


当初は「仮」の義眼をつけていましたが、年末に「本」義眼を作って新しい年を迎えました。



今年の正月も、去年と変わらず、いや、ひとつ、娘という幸せが増えて、楽しくすごせました。
いろいろなことがありすぎた2008年でしたが、それでも新年は平穏に迎え、無事にすごすことができています。
最近妻は、児童館やママ友との交流会にと忙しく、娘と一緒に外に繰り出しています。いままでしたくてもできなかったちょっとした外出が、やっとできるようになってうれしい、当たり前にできるようなことを、当たり前にできることが、本当にありがたいことなんだって、きっと身にしみて感じていると思います。



友達、ブログや病院で知り合った、同じ病気を持つ子、親御さんや、病気は違っていても大変な病気と向き合っている子、その親御さんとも触れ合い、励まされたり、学んだり、ものすごく助けられました。ありがとうございました。
今年も変わらずに、お付き合いいただければ、うれしく思います。


そして、今も病気と立ち向かっている子、そして親御さん、つらいでしょう。僕たちなんかは幸運なほうかもしれませんから、もっともっと大変な思いをされているかたがたくさん居るのでしょうね。
明るい未来が皆様とともにありますよう、微力ながら、お祈りしています。


そして、最愛の妻であるあなたに、一番のありがとうと、これからもよろしくを伝えます。